中ぐり盤の特徴

中ぐり盤の主な特徴は以下の通りです。

1. 高精度な加工能力

中ぐり盤は、高精度な加工を可能にする工具です。特に、円筒形の穴やボーリング作業において、非常に細かな寸法調整が求められる場合に使用されます。中ぐり盤は、通常のドリル加工では難しいような、極めて高精度な仕上げが必要な際に用いられることが多いです。また、ボーリング作業では、作業を行う穴の内径を、工具の回転と送りによって均一に削り、内側を滑らかに仕上げることが可能です。

2. 機械剛性の高さ

中ぐり盤は、重量感のある強固な構造を持ち、機械剛性が高いことが特徴です。剛性が高いことで振動が少なくなり、加工精度がさらに向上します。また、これにより重いワーク（加工対象の部品）でもしっかりと保持でき、正確な加工が可能です。機械剛性の高さは、特に大型のワークや硬い素材を扱う場合に、加工の安定性を確保する重要な要素です。

3. 多様な用途に対応

中ぐり盤は、さまざまな加工用途に対応できる柔軟性を持っています。例えば、穴あけ、ボーリング、さらにはねじ切りなどの工程も一台で行えるため、多機能で効率的です。加工の形状やサイズに応じて、異なる工具やアタッチメントを使い分けることで、より複雑な作業も行えるようになっています。また、複数の工程を一度に行えるため、生産効率が向上し、作業時間の短縮にもつながります。

中ぐり盤の用途

中ぐり盤の主な用途は以下の通りです。

1. 精密な穴の拡張加工

中ぐり盤は、既に開けられた穴を精密に広げたり、寸法を正確に整えたりするために使われます。穴の形状や位置精度を高めることができるため、エンジン部品や産業機械部品など、精度が求められる用途に適しています。特に大型のワークで内径の仕上げが必要な場合に利用されます。

2. 複雑な内部形状の加工

中ぐり盤は、内部に溝や段差がある複雑な形状の加工にも使用されます。工具を正確に制御することで、内径の形状を自由に変えられるため、さまざまな形状の加工が可能です。例えば、油圧機器や航空機の部品で、内部に溝や段差が必要な場合に有効です。

3. 金型や大型部品の仕上げ加工

中ぐり盤は、大型部品や金型の内側の仕上げ加工にも活用されます。特に、自動車や重工業分野での大型のワークの内部を精密に仕上げる際に使用され、高い寸法精度と平滑な表面仕上げを実現します。これにより、部品の組み立て精度が向上し、最終製品の品質も高まります。