水平多関節ロボット（スカラロボット）とは？製品一覧や水平多関節ロボット（スカラロボット）メーカーの一覧についても紹介

水平多関節ロボット（スカラロボット）の特徴

水平多関節ロボット、特にスカラロボット（SCARAロボット）は、水平面での高精度な動作と高速性に優れた特徴を持つロボットです。これらの特徴により、特に組立、検査、ピックアンドプレースといった精密な操作が求められる作業に向いています。以下に、SCARAロボットの主な特徴をまとめます。

1.水平面での高い柔軟性

スカラロボットは2つの回転関節（多関節）を持ち、これにより腕が水平方向にスムーズに移動します。この構造は水平移動に特化しているため、円弧や直線を描くように動くことができ、短時間で正確に位置を移動できます。

2. 垂直方向の剛性

スカラロボットは垂直方向の動作が直線的であり、剛性が高いため、正確な位置決めが可能です。これは、部品の組み立てや圧力がかかる作業に適しています。また、垂直方向のミスが少ないため、高精度が求められる工程において一貫した作業品質を提供します。

3. 高スピードと高精度

SCARAロボットの動作は非常にスピーディで、短いサイクルタイムを実現します。これにより、製造ラインの生産性が向上します。また、リピート精度が高く、繰り返し作業での位置ズレが少ないため、精密部品の配置などでも正確な結果が得られます。

水平多関節ロボット（スカラロボット）の仕組み

水平多関節ロボット、特にスカラロボット（SCARAロボット）の仕組みは、主に2つの水平回転軸と1つの垂直軸で構成され、効率的に水平方向での移動や精密な位置決めができるように設計されています。以下、SCARAロボットの基本的な構造と動作メカニズムについて解説します。

1. 水平多関節構造

スカラロボットは2つの回転関節（ジョイント）を持つアームで構成されており、これによりアームが円弧を描きながら水平方向に動きます。これらの関節はそれぞれ水平面で回転するため、アームが柔軟に動く一方で、動作が水平方向に制限されます。これにより、高速かつ精密に物体を持ち上げ、配置することが可能になります。

2. 垂直方向の直線運動（Z軸）

スカラロボットには垂直方向の直線運動を行うためのZ軸が搭載されています。Z軸は上下方向の動きを可能にし、ワークピースを持ち上げたり配置したりする際に利用されます。また、Z軸には回転軸も組み込まれている場合があり、これによりツールや物体の向きを変えることができます。この構造により、SCARAロボットは3D空間での柔軟な操作が可能になりますが、動きは主に水平面内に制限され、垂直方向では剛性が維持されています。

3. 動作の順応性と剛性

スカラロボットの「選択的順応性」とは、水平方向の動きに対しては柔軟性がある一方で、垂直方向の動作に対しては剛性が高いことを意味します。この特性により、力が加わる垂直方向の作業（ネジ締めや挿入作業など）に適しており、ミスが少なく安定した動作が可能です。