磁束密度とは?公式や単位についても解説!
磁束密度とは単位面積あたりの磁束量Bで単位はテスラです。今回は、そんな磁束密度の公式などをわかりやすく解説します。
磁束密度とは

磁束密度は、空間のある点における磁場の強さを表す物理量のことで、単位面積あたりにどれだけの磁力線が通過しているかを示す指標です。製造業では、モーターやトランス、発電機などの電気機器の設計・製造過程で非常に重要な役割を果たしています。
磁束密度の測定には、ホール素子やフラックスメーターといった専用の測定器が使われ、「適切な磁束密度を確保できないと、機器の性能が大幅に低下してしまう」という問題が生じます。例えば、電気自動車のモーター製造では、磁束密度を正確に管理することで、エネルギー効率の高い駆動システムを実現できます。
また、医療機器のMRI装置や磁気センサーの製造においても、精密な磁束密度の制御が製品の性能を左右します。このように、目に見えない磁気の力を数値化して管理することで、高性能で信頼性の高い製品開発が可能になるのです。
磁束密度の公式
磁束密度の公式は基本的に「B = Φ/S」となります。ここでBは磁束密度、Φは磁束(単位:ウェーバ[Wb])、Sは断面積(単位:m²)を表しています。つまり、ある面積を通過する磁束の量を、その面積で割った値が磁束密度。また、コイルに電流を流したときの磁束密度は「B = μ・n・I」という公式で求められます。μは透磁率、nは単位長さあたりの巻数、Iは電流の強さです。例えば、空気中(μ≒4π×10⁻⁷[H/m])で1mあたり1000回巻いたコイルに1Aの電流を流すと、約1.26mTの磁束密度が発生します。
製造業では、モーターやトランス、発電機などの設計において磁束密度の計算が欠かせません。磁束密度が高すぎると鉄心が飽和して効率が下がりますし、低すぎるとパワー不足になってしまいます。適切な磁束密度を設計段階で計算することで、高性能で省エネルギーな電気機器を製造することができるのです。
磁束密度の単位
磁束密度の単位は「テスラ(T)」が国際単位系(SI単位系)で使われています。これはニコラ・テスラという発明家の名前から来ています。1テスラはかなり強い磁場を表し、例えば医療用MRI装置では1.5〜3テスラ程度の磁束密度が使われています。
日常生活で接する磁石の強さは、もっと小さな単位で表されることが多いです。例えば冷蔵庫に貼るマグネットは0.01テスラ(10ミリテスラ)程度。地球の磁場はさらに弱く、約0.00005テスラ(50マイクロテスラ)ほどです。昔は「ガウス(G)」という単位も使われていました。1テスラは10,000ガウスに相当します。今でも磁気センサーなどの分野では、このガウスという単位を見かけることがあります。
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