磁束密度の公式
磁束密度の公式は基本的に「B = Φ/S」となります。ここでBは磁束密度、Φは磁束(単位:ウェーバ[Wb])、Sは断面積(単位:m²)を表しています。つまり、ある面積を通過する磁束の量を、その面積で割った値が磁束密度。また、コイルに電流を流したときの磁束密度は「B = μ・n・I」という公式で求められます。μは透磁率、nは単位長さあたりの巻数、Iは電流の強さです。例えば、空気中(μ≒4π×10⁻⁷[H/m])で1mあたり1000回巻いたコイルに1Aの電流を流すと、約1.26mTの磁束密度が発生します。
製造業では、モーターやトランス、発電機などの設計において磁束密度の計算が欠かせません。磁束密度が高すぎると鉄心が飽和して効率が下がりますし、低すぎるとパワー不足になってしまいます。適切な磁束密度を設計段階で計算することで、高性能で省エネルギーな電気機器を製造することができるのです。
磁束密度の単位
磁束密度の単位は「テスラ(T)」が国際単位系(SI単位系)で使われています。これはニコラ・テスラという発明家の名前から来ています。1テスラはかなり強い磁場を表し、例えば医療用MRI装置では1.5〜3テスラ程度の磁束密度が使われています。
日常生活で接する磁石の強さは、もっと小さな単位で表されることが多いです。例えば冷蔵庫に貼るマグネットは0.01テスラ(10ミリテスラ)程度。地球の磁場はさらに弱く、約0.00005テスラ(50マイクロテスラ)ほどです。昔は「ガウス(G)」という単位も使われていました。1テスラは10,000ガウスに相当します。今でも磁気センサーなどの分野では、このガウスという単位を見かけることがあります。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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