シンクロナスモーターの構造
シンクロナスモーターの構造は、基本的に「回転子(ロータ)」と「固定子(ステータ)」の2つの主要部分から成り立っています。
まず固定子は、モーターの外側に位置する部分で、鉄心と巻線で構成されています。この鉄心は薄い鋼板を積み重ねた形になっていて、その内側に3相交流を流すための巻線が配置されているんです。この巻線に電流が流れると回転磁界が発生します。
一方、回転子はモーターの中心部分で回転する部品です。シンクロナスモーターの回転子には大きく分けて「永久磁石型」と「突極型」の2種類があります。永久磁石型は名前の通り永久磁石を使用していて、小型から中型のモーターによく使われます。突極型は電磁石を使用していて、大型のモーターに採用されることが多いですね。
シンクロナスモーターの特徴的な構造として、回転子と固定子の間には「エアギャップ」と呼ばれる隙間があります。このギャップは通常0.5mm〜数mm程度と非常に小さいのですが、モーターの性能に大きく影響してきます。
また、大型のシンクロナスモーターには「始動巻線」や「制動巻線」といった補助的な構造も備わっています。これらは起動時のトルク不足を補ったり、急な負荷変動に対応したりするために重要な役割を果たしています。
このような構造により、シンクロナスモーターは回転磁界と同期して一定速度で回転するという特性を持ち、高効率・高精度な動作を実現しているんです。産業用機械や発電機など、安定した回転速度が求められる場面で広く活用されています。
シンクロ ナス モーターの原理
シンクロナスモーター(同期モーター)の仕組みはシンプルで、固定子に流れる交流電流が作る回転磁界と、回転子の磁極が引き合うことで動きます。例えば、50Hzの電源なら毎分3,000回転(60Hzなら3,600回転)という具合に、電源周波数に比例した一定速度で回り続けます。
このモーターには大きく分けて「突極形」と「円筒形」の2種類があります。突極形は回転子に明確な磁極があり、小型から大型まで幅広く使われています。一方、円筒形は高速回転に適していて、大型の発電機などに採用されることが多いです。
始動方法にも特徴があって、単体では始動できないため、補助巻線や始動用モーターが必要になります。でも一度回り始めると、精密な速度制御ができるため、時計や記録計、工作機械など正確な速度が求められる機器に重宝されています。
最近では、インバーター技術の発展により可変速運転も可能になり、高効率で信頼性の高い動力源として、さまざまな産業機器で活躍しています。省エネ性能も高く、長時間の連続運転にも適しています。