作成日: 2025-05-26 | 更新日: 2025-05-28
シンクロナスモーター メーカー・製品!概要や構造、原理などについても解説!

シンクロナスモーターの選定・導入をご検討中の方へ。シンクロナスモーターの概要や特徴などの解説から、製品・メーカー・カタログ情報、詳細な専門用語解説まで網羅。概要の理解や製品、メーカーの調査など、課題解決と製品・企業選びを、本ページがサポートします。

シンクロナスモーター とは

シンクロナスモーター

シンクロナスモーターとは、電源の周波数と同じ速さで回転する電動機のことで、一定の速度を保ちながら動き続ける特徴を持っています。工場の生産ラインや精密機器、時計などの正確な動きが求められる場所で活躍しています。

このモーターの最大の特徴は「回転速度が電源周波数に完全に同期する」という点で、負荷がかかっても回転数が変わらないため、安定した動作が必要な機械に最適です。また、高効率で省エネ性能も優れており、長時間稼働する設備では電気代の節約にもつながります。

小型のものから大型の産業用まで様々なサイズがあり、近年ではエアコンやハイブリッド車など、私たちの身近な製品にも使われるようになってきました。正確さと効率の良さを兼ね備えたシンクロナスモーターは、現代の産業と暮らしを支える重要な部品となっています。

シンクロナスモーターの構造

シンクロナスモーターの構造は、基本的に「回転子(ロータ)」と「固定子(ステータ)」の2つの主要部分から成り立っています。


まず固定子は、モーターの外側に位置する部分で、鉄心と巻線で構成されています。この鉄心は薄い鋼板を積み重ねた形になっていて、その内側に3相交流を流すための巻線が配置されているんです。この巻線に電流が流れると回転磁界が発生します。


一方、回転子はモーターの中心部分で回転する部品です。シンクロナスモーターの回転子には大きく分けて「永久磁石型」と「突極型」の2種類があります。永久磁石型は名前の通り永久磁石を使用していて、小型から中型のモーターによく使われます。突極型は電磁石を使用していて、大型のモーターに採用されることが多いですね。


シンクロナスモーターの特徴的な構造として、回転子と固定子の間には「エアギャップ」と呼ばれる隙間があります。このギャップは通常0.5mm〜数mm程度と非常に小さいのですが、モーターの性能に大きく影響してきます。


また、大型のシンクロナスモーターには「始動巻線」や「制動巻線」といった補助的な構造も備わっています。これらは起動時のトルク不足を補ったり、急な負荷変動に対応したりするために重要な役割を果たしています。


このような構造により、シンクロナスモーターは回転磁界と同期して一定速度で回転するという特性を持ち、高効率・高精度な動作を実現しているんです。産業用機械や発電機など、安定した回転速度が求められる場面で広く活用されています。


シンクロ ナス モーターの原理

シンクロナスモーター(同期モーター)の仕組みはシンプルで、固定子に流れる交流電流が作る回転磁界と、回転子の磁極が引き合うことで動きます。例えば、50Hzの電源なら毎分3,000回転(60Hzなら3,600回転)という具合に、電源周波数に比例した一定速度で回り続けます。


このモーターには大きく分けて「突極形」と「円筒形」の2種類があります。突極形は回転子に明確な磁極があり、小型から大型まで幅広く使われています。一方、円筒形は高速回転に適していて、大型の発電機などに採用されることが多いです。


始動方法にも特徴があって、単体では始動できないため、補助巻線や始動用モーターが必要になります。でも一度回り始めると、精密な速度制御ができるため、時計や記録計、工作機械など正確な速度が求められる機器に重宝されています。


最近では、インバーター技術の発展により可変速運転も可能になり、高効率で信頼性の高い動力源として、さまざまな産業機器で活躍しています。省エネ性能も高く、長時間の連続運転にも適しています。

シンクロナスモーター 全0件

現在、このカテゴリに関連する製品はありません。

シンクロナスモーター に関連する企業 全0件

現在、このカテゴリに関連する企業はありません。

シンクロナスモーター に関連するカタログ 全0件

現在、このカテゴリに関連するカタログはありません。

シンクロナスモーター に関連する専門用語 全20件

pwm制御

PWM制御は「Pulse Width Modulation(パルス幅変調)」の略で、電気信号のオンとオフを素早く切り替えることで、電力の供給量を調整する技術のことです。簡単に言うと、電気を「完全オン」と「完全オフ」の間で高速に切り替えて、平均的な出力を変える方法なんです。 この技術の最大の特徴は、効率よく電力を制御できること。「オンとオフの時間比率を変えるだけで、モーターの速度や明るさを細かく調整できる」という点が大きなメリットです。また、熱の発生が少なく、エネルギーロスを抑えられます。 製造業では、工場のコンベアベルトの速度制御や、ロボットアームの精密な動きの制御に活用されています。例えば、自動車製造ラインでは、塗装ロボットの動きをPWM制御で滑らかにすることで、均一できれいな塗装を実現しています。また、LED照明の明るさ調整や、温度管理が必要な工程でも広く使われており、製造現場の効率化と品質向上に大きく貢献しています。

コギングトルク

コギングトルクとは、モーターが回転するときに発生する不規則な抵抗力のことで、特に永久磁石を使ったモーターで顕著に現れる現象です。簡単に言うと、モーターがスムーズに回らずにカクカクと動いてしまう原因となる力のことです。これは、モーターの中の磁石と鉄心の間で起こる磁気的な引き合う力によって生じます。 コギングトルクの主な特徴としては、モーターの回転位置によって強さが変わること、低速回転時に特に影響が大きいこと、そして振動や騒音の原因になることが挙げられます。これを抑えることで、モーターの動きがスムーズになり、精度の高い制御が可能になるというメリットがあります。 製造現場では、このコギングトルクを低減するためにさまざまな工夫がされています。例えば、モーターの設計段階で磁石の配置を工夫したり、鉄心の形状を最適化したりする方法があります。また、電子制御によってコギングトルクを打ち消すような制御技術も開発されています。

ステータ

ステータは電気モーターの中心部分で、固定子とも呼ばれる動かない部品のことです。モーターが回転力を生み出す仕組みの中で、「電気エネルギーを機械的な動きに変換する要」となる重要な部分なんです。主に銅線をコイル状に巻いた構造になっていて、電流が流れると磁界が発生し、中心にあるローターを回転させます。 ステータの品質は製品の性能を大きく左右するため、製造時には高い精度が求められます。例えば、家電メーカーでは扇風機やエアコンのモーター製造ラインで「コイルの巻き数や張力を一定に保つことで、製品寿命と省エネ性能を両立させる」という厳しい品質管理が行われています。自動車産業では電気自動車のモーター製造において、ステータの精密な組み立てが走行距離や加速性能に直結するため、ロボットと熟練技術者の連携による生産体制が構築されています。このように、ステータは現代のあらゆる電動機器を支える縁の下の力持ちなのです。

ダイレクトドライブ

ダイレクトドライブは、モーターの動力を減速機などを介さずに直接伝達する駆動方式のことです。一般的な機械では、モーターとの間にギアやベルトを使いますが、ダイレクトドライブではそれらを省略して「モーターの回転をそのまま利用する」という特徴があります。 主なメリットは、部品点数が少なくなることによる高い信頼性と、動力伝達時のロスが少ないため効率が良いこと。また、ギアなどがないため騒音や振動が少なく、精密な動きが求められる場面で活躍します。 製造業では、半導体製造装置や精密加工機などの高精度な位置決めが必要な工程で広く採用されています。例えば、スマートフォンのカメラレンズを製造する際の研磨工程では、ナノメートル単位の精度が求められるため、ダイレクトドライブモーターが使われることで高品質な製品を安定して生産できるようになっています。

スター結線

スター結線は電気設備で使われる三相交流の接続方法の一つで、三つの巻線の一端を共通点(中性点)で接続し、残りの端子を電源や負荷に接続する方式のことです。「Y結線」とも呼ばれていて、図で見ると星(スター)の形に似ていることが名前の由来になっています。 この結線方式の大きな特徴は「相電圧と線間電圧の関係がシンプル」なところ。相電圧に対して線間電圧が√3倍になるため、計算がしやすく設計がしやすいんです。また、中性点を接地できるので安全性も高いメリットがあります。 製造業では、モーター駆動の工作機械や生産ラインの電源供給に広く活用されています。例えば自動車工場のロボットアームは、スター結線された三相モーターで動いていることが多く、安定した動作と省エネ性を両立しています。このように、スター結線は現代の製造現場の電力供給を支える重要な技術となっています。

デルタ結線

デルタ結線は電気設備で使われる三相交流回路の接続方法の一つで、三角形(Δ)のような形に巻線をつなぐことからこの名前がついています。主に工場の大型モーターや変圧器などの電気機器で活用されており、「高い電圧でも安定した電力供給ができる」という特徴があります。"# デルタ結線のメリット デルタ結線は電気設備で使われる三相交流回路の接続方法の一つで、三角形のように三つの巻線を接続する方式です。製造現場では、モーターやトランスなどの電気機器を効率よく動かすために広く採用されています。

トルク

トルクとは、物体を回転させる力の大きさを表す物理量のことです。簡単に言うと、ねじやボルトを回すときの「ひねる力」や「回す力」のことを指します。日常生活では、ドアノブを回したり、ペットボトルのキャップを開けたりするときにもトルクを使っています。 製造業では、このトルクの管理が製品の品質や安全性に直結します。例えば自動車のエンジン組み立てでは、「各ボルトは決められたトルク値で締めること」という厳格な基準があります。トルクが弱すぎるとパーツが外れる危険があり、強すぎるとボルトやネジ山が破損してしまうんです。 トルクレンチやトルクドライバーといった専用工具を使うことで、作業者は「ちょうどいい締め付け具合」を正確に再現できるようになります。最近の電子機器製造では、小さなネジでも精密なトルク管理が必要で、これが製品の信頼性向上に大きく貢献しているのです。

ベクトル制御

ベクトル制御は、モーターの回転をより精密に制御するための技術で、特に交流モーターの性能を最大限に引き出すために使われています。従来の制御方法と違って、モーターに流れる電流の大きさだけでなく、その方向(ベクトル)も制御することで、「まるでブラシ付き直流モーターのような扱いやすさと高い応答性を実現できる」のが大きな特徴です。 工場の生産ラインでは、ロボットアームの動きを滑らかに制御したり、巻取り機の張力を一定に保ったりする場面で活躍しています。例えば、自動車製造ラインでは、塗装ロボットの動きを精密に制御することで均一な塗装品質を実現。また、半導体製造装置では、ナノメートル単位の位置決め精度が求められますが、ベクトル制御によって高精度な動作が可能になり、製品の歩留まりと品質向上に大きく貢献しています。

力率

力率は電気を使う機械や設備がどれだけ効率よく電力を使っているかを示す指標です。簡単に言うと、供給された電力のうち、実際に仕事として使われている割合のことです。力率が高いほど電気を無駄なく使えていることになります。 製造現場では、モーターやコンプレッサーなどの大型機器を使うとき、この力率が重要になってきます。「力率が低いと電気代が高くなるだけでなく、設備にも負担がかかってしまう」ため、多くの工場では力率改善装置を導入しています。 力率の主なメリットは、電気代の削減、設備の寿命延長、そして電力系統の安定化です。例えば、自動車工場では大型プレス機やロボットアームなど多くの電気機器を使いますが、力率を適切に管理することで、生産コストを下げながら安定した製造ラインを維持できます。このように、力率の管理は製造業の省エネと設備保全の両面で大きな役割を果たしています。

励磁

励磁とは、発電機やモーターなどの電気機器に磁界を作り出すために電流を流す作業のことです。簡単に言えば、電気機器の「心臓部分に命を吹き込む」重要な工程なんです。主に発電所の大型発電機や工場の電動機などで活用されており、適切な励磁によって安定した電力供給や効率的な動力が得られます。 励磁の大きな特徴は、電気機器の出力や効率を調整できることにあります。「必要なときに必要なだけ磁力を発生させる」ことで、エネルギーの無駄遣いを防ぎながら最適な性能を引き出せるんですね。 製造業では、自動車工場のロボットアームの制御や精密機器の製造ラインでモーターの回転速度を細かく調整する際に励磁技術が活用されています。特に省エネルギー化が求められる現代の製造現場では、励磁の最適制御によって電力消費を抑えながら生産効率を高める取り組みが進んでいます。

周波数制御

周波数制御(インバータ制御)は、交流電源の周波数 f を自在に変化させることでモーターの同期速度 nₛ=120 f / P(Pは極数)を調整する技術です。インバータ内部ではいったん電力を直流に変換したあと、パルス幅変調(PWM)で周波数と電圧を同時に可変出力するため、必要なときに必要なだけの回転数・トルクを繊細に取り出せます。ソフトスタート/ソフトストップが可能になることで突入電流や機械的ショックが抑えられ、設備寿命の延長にも寄与します。 最大のメリットは省エネルギー効果です。ポンプやファンでは流量・風量が回転数の3乗に比例するため、回転数を 70 % に落とすだけで消費電力は約 0.34 倍に低減できます。さらに、周波数分解能 0.01 Hz レベルの精密制御により、半導体製造装置の温度・湿度調整ファンや食品工場のコンベヤ速度を微調整し、不良率を大幅に削減できます。自動車部品工場では、金型や材料に合わせてプレス機のラム速度を切り替え、歩留まりを高めつつエネルギーを節約しています。 このように周波数制御は「省エネ・高精度・設備保全」を同時に実現できるため、現代の製造ラインやビル設備管理に欠かせない基盤技術となっています。

回転数

回転数は、機械や部品が1分間に何回転するかを表す重要な指標のことです。製造業では、モーターやエンジン、工作機械などの性能を評価する基本的な数値として広く活用されています。「RPM(Revolutions Per Minute)」という単位で表されることが多く、機械の効率や出力を左右する大切な要素なんです。 回転数の管理は精密機器の製造において特に重要で、例えば工作機械の切削速度を最適化することで、加工精度の向上や工具の寿命延長につながります。自動車エンジンの製造では、「適切な回転数範囲で最大のトルクを発揮できるよう設計する」ことが燃費や走行性能を左右します。 また、回転数の測定・制御技術の進歩により、省エネルギー化や騒音低減、製品の品質安定化など、製造現場の様々な課題解決に貢献しています。このように、回転数は製造業における品質と効率の両立に欠かせない基本的な指標となっているのです。

定格出力

"定格出力とは、機械や電気機器が安全に継続して出せるパワーの最大値のことです。製品に表示されている「この機械は○○ワットまで使えます」という数値がまさにこれにあたります。定格出力を超えて使用すると、機器が過熱したり寿命が短くなったりする恐れがあるので注意が必要です。 主な特徴は、製品の性能を客観的に比較できる指標になることと、安全に使える限界を示してくれる点です。例えば工場のモーターやポンプを選ぶとき、必要な作業量に合わせて適切な定格出力の機器を選ぶことで、エネルギー効率が良く経済的な運用ができます。 自動車製造ラインでは「各工程で必要な定格出力を正確に計算して機器を配置することで、無駄なエネルギー消費を抑えながら安定した生産を実現している」という事例があります。このように定格出力は製造現場の効率化と安全確保に欠かせない重要な指標となっています。"

慣性モーメント

慣性モーメントは物体が回転運動するときの「回転のしにくさ」を表す物理量です。簡単に言うと、物体の質量が回転軸からどれだけ離れて分布しているかを示す指標なんです。例えば、同じ質量でも、回転軸から遠くに質量が集中している物体ほど、回転を始めたり止めたりするのが難しくなります。 製造業では、モーターやタービン、フライホイールなどの回転機器の設計に慣性モーメントの計算が欠かせません。「適切な慣性モーメントを持つ部品を設計することで、機械の安定性や効率が大きく向上する」というのは、エンジニアの間では常識です。例えば自動車のクランクシャフトは、慣性モーメントを最適化することでエンジンの振動を抑え、スムーズな走行を実現しています。また、産業用ロボットのアームの動きを正確に制御するためにも、各部品の慣性モーメントを正確に把握することが重要なのです。

無負荷電流

無負荷電流とは、モーターやトランスなどの電気機器に負荷をかけていない状態で流れる電流のことです。簡単に言えば、機械が何も仕事をしていない「アイドリング状態」で消費する電流のことです。この値は機器の効率性や健全性を判断する重要な指標となっています。 無負荷電流を測定することで、機器の内部に問題がないかを簡単にチェックできるのが大きなメリットです。例えば、工場の生産ラインで使われるモーターの「無負荷電流が急に増えた」という状況があれば、それは内部の摩耗や損傷の兆候かもしれません。 製造業では、設備の予防保全に活用されることが多く、定期点検時に無負荷電流を測定して記録しておくことで、機器の劣化傾向を把握し、突然の故障を防ぐことができます。特に自動車部品の製造ラインや精密機器の組立工程では、モーターの状態監視に無負荷電流測定が欠かせない作業となっています。

磁束密度

磁束密度は、空間のある点における磁場の強さを表す物理量のことで、単位面積あたりにどれだけの磁力線が通過しているかを示す指標です。製造業では、モーターやトランス、発電機などの電気機器の設計・製造過程で非常に重要な役割を果たしています。 磁束密度の測定には、ホール素子やフラックスメーターといった専用の測定器が使われ、「適切な磁束密度を確保できないと、機器の性能が大幅に低下してしまう」という問題が生じます。例えば、電気自動車のモーター製造では、磁束密度を正確に管理することで、エネルギー効率の高い駆動システムを実現できます。 また、医療機器のMRI装置や磁気センサーの製造においても、精密な磁束密度の制御が製品の性能を左右します。このように、目に見えない磁気の力を数値化して管理することで、高性能で信頼性の高い製品開発が可能になるのです。

起動トルク

起動トルクとは、停止している機械や装置を動き始めさせるために必要な回転力のことです。モーターやエンジンが最初に動き出すときには、静止状態の摩擦や慣性に打ち勝つために、通常運転時よりも大きな力が必要になります。「始動時に必要なトルクが足りないと、機械がスムーズに動き出せず、故障の原因になることも」あるんです。 製造ラインの搬送コンベアやポンプ、大型ファンなどの設計では、この起動トルクを正確に計算することが重要です。特に重い負荷がかかる装置では、起動時の負担を考慮した適切なモーター選定が必須となります。 自動車製造では、エンジンの起動トルク特性を最適化することで、寒冷地でもスムーズに始動できる製品開発に活かされています。また、工作機械メーカーでは、起動トルクを制御する技術を取り入れることで、精密な動作と長寿命化を実現し、製品の信頼性向上に貢献しています。

極数

極数とは電気モーターや発電機などの回転機に関する重要な概念で、磁極の数を表す基本的な指標のことです。モーターの内部には「N極とS極のペアがいくつあるか」を示す数値で、この極数によって回転速度や出力特性が大きく変わってきます。 極数が少ないモーターは高速回転に向いていて、極数が多いものはトルク(回転力)が大きくなるという特徴があります。製造業では、工作機械や搬送装置など用途に合わせて最適な極数のモーターを選定することが重要です。例えば、精密部品の加工現場では「高速回転が必要な切削工程には2極や4極のモーターを、安定した力が必要なプレス工程には多極のモーターを」というように使い分けることで、生産効率と製品品質の向上に大きく貢献しています。

減速比

減速比とは、機械の回転速度を落とす割合を表す数値のことで、モーターの高速回転を使いやすい速度に変換するために使われます。例えば「10:1の減速比」なら、モーターが10回転するときに出力軸は1回転するという仕組みです。 減速比を利用すると、回転速度は下がりますが、その分だけトルク(回転力)が増加するというメリットがあります。これにより、小さなモーターでも大きな力を出せるようになります。工場の生産ラインでは、コンベアベルトやロボットアームの動きを正確にコントロールするために減速機が活用されています。 例えば、自動車の製造現場では、車体を持ち上げる装置に減速機が組み込まれており、モーターのパワーを効率よく伝えながら、安全で精密な動きを実現しています。このように、減速比は製造業の様々な機械設備の性能を最適化する重要な要素となっています。

鉄損

鉄損とは、変圧器やモーターなどの電気機器で、鉄心に交流磁界が加わったときに発生するエネルギーの損失のことです。この現象は主に「渦電流損」と「ヒステリシス損」の2種類から成り立っています。鉄損が大きいと電気機器の効率が下がり、発熱の原因にもなるため、製造現場では常に「いかに鉄損を減らすか」という課題と向き合っています。 特殊な珪素鋼板を使ったり、鉄心を薄い板の積層構造にしたりすることで鉄損を低減できるのがメリットです。例えば、電気自動車のモーター製造では、鉄損を抑えることで走行距離を伸ばせるため、材料選びから組立方法まで細かく管理されています。このように、鉄損の理解と対策は、省エネ製品の開発や電気機器の性能向上に直結する重要な要素なのです。

【監修者コメント】

メカサーチ編集部

メカサーチは、製造業むけ製品・サービス紹介サイトです。カテゴリー別に製品・サービスの概要やメーカー、製品、専門用語などを紹介しています。