ギヤードモーターの仕組み
ギヤードモーターの仕組みは、モーターとギアボックスを組み合わせた構造になっています。簡単に言うと、高速で回転するモーターの力を、ギアを使って速度を落としながらトルク(回転力)を高めるシステムです。
具体的には、モーター部分で電気エネルギーを回転運動に変換します。このとき、一般的な小型モーターは毎分1000回転以上という高速で回りますが、そのままでは多くの産業機械には使えません。そこでギアボックスの出番です。
ギアボックスには複数の大小さまざまな歯車が組み込まれていて、大きな歯車と小さな歯車を組み合わせることで回転速度を下げつつ、トルクを増大させます。例えば、歯数が10個の小さなギアから歯数が50個の大きなギアに力を伝えると、回転速度は1/5になりますが、トルクは約5倍になってきます。そのため、減速比は重要な指標で、例えば1:20の減速比なら、モーターの回転数の1/20の速度で出力軸が回転します。産業用のギヤードモーターでは、1:5から1:200以上まで、用途に応じてさまざまな減速比が選べます。
また、ギアの種類も平歯車、はすば歯車、ウォームギアなど多様で、それぞれ特性が異なります。例えばウォームギアは大きな減速比(1:100程度)が得られる反面、効率は60〜70%程度と低めです。
このようにギヤードモーターは、モーターの高速回転を実用的な速度とパワーに変換する、いわば「力の変換器」として、コンベアやミキサー、各種産業機械で幅広く活躍しています。
ギヤード モーターの構造
ギヤード モーターの構造的には、モーター部分とギアボックス部分の2つに大きく分けられます。モーター部分では電気エネルギーを回転運動に変換し、その回転をギアボックスに伝えます。ギアボックス内部には複数の歯車(ギア)が組み合わされていて、これらが噛み合うことで減速と増トルクを実現しています。
例えば、モーターが毎分3000回転する場合、30:1の減速比のギアボックスを組み合わせると、出力軸は毎分100回転になります。その代わり、理論上はトルクが30倍になるわけです(実際には摩擦などによるロスがあるため、完全に30倍にはなりません)。
ギアの材質も重要で、用途によってプラスチック製、金属製、あるいはその組み合わせなど様々。また、ギアの配置方法も平行軸型、遊星歯車型など複数のタイプがあり、用途や必要なトルク・速度に応じて選ぶことができます。
ギヤードモーターの使い方
使い方は意外とシンプル。まず電源に接続して、取り付け部分を機械や装置にしっかり固定します。ギヤード モーターの出力軸を動かしたい部分に連結すれば基本的な設置は完了です。電圧や回転方向の調整は、専用のコントローラーを使うとより細かく制御できます。
選ぶ際のポイントは、必要なトルクと回転速度をしっかり確認すること。例えば、重い物を動かすなら高トルク型(数N・m〜数十N・m)を、精密な動きが必要なら低速・高精度タイプ(数rpm〜数百rpm)を選びましょう。また、使用環境に合わせて防水・防塵性能も確認が必要です。