ブレーキモーターの仕組み
ブレーキモーターの特徴は、通常のモーターに電磁ブレーキが組み込まれている点です。具体的には、モーターの電源を切ったときに自動的にブレーキがかかり、回転を素早く止める仕組みになっています。
仕組みを簡単に説明すると、モーター本体の後部にブレーキ部が取り付けられていて、このブレーキ部には「摩擦板」と「電磁石」が組み込まれています。モーターに電気が流れているときは、電磁石が働いて摩擦板を引き離した状態を保ちます。これによってモーターは自由に回転できます。
そして電源を切ると、電磁石の力がなくなり、内蔵されているバネの力で摩擦板が押し付けられます。この摩擦によってモーターの回転が急速に止まるという仕組みです。通常のモーターだと、電源を切っても慣性で回り続けてしまいますが、ブレーキモーターならすぐに停止できます。
特に工作機械や搬送装置、エレベーターなどの用途では、この即時停止機能が安全性を大きく高めています。例えば、一般的なブレーキモーターの停止時間は0.1〜0.5秒程度で、ブレーキがない場合の数秒〜数十秒と比べるとかなり短いです。
また、位置決め精度が求められる装置では、モーターが余分に回転してしまうとずれが生じてしまいますが、ブレーキモーターならその心配がありません。製造ラインでは、この正確な停止位置の制御が製品品質に直結するため、多くの現場で活用されています。
ブレーキモーターの用途
ブレーキモーターとは、通常のモーターに電磁ブレーキを組み込んだ特殊なモーターのことです。電源を切ると自動的にブレーキがかかり、モーターの回転を素早く停止させる機能を持っています。この特性を活かして、さまざまな産業機械や設備で幅広く使われています。
特に工場の生産ラインでは、コンベアやリフト、搬送装置などに多く採用されています。例えば、精密な位置決めが必要な加工機械では、ブレーキモーターが停止精度を高め、生産効率と製品品質の向上に貢献しているんです。また、エレベーターや自動ドアなどの昇降・開閉装置でも、安全性を確保するために欠かせない存在となっています。
ブレーキの制動トルクは、モーターの定格トルクの1.5〜2倍程度が一般的。これにより、重い荷物を持ち上げている状態でも、電源遮断時に荷物が落下するのを防ぐことができるんです。さらに、最近のモデルでは制動時間も短縮され、一般的な小型機種で0.05秒程度、大型でも0.1秒以内に停止できるものが増えています。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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