スピードコントロールモーターの原理
スピードコントロールモーターとは、その名の通り回転速度を自在に調整できるモーターのことです。製造ラインや家電製品など、私たちの生活のあらゆる場面で活躍しています。
基本的な原理は、モーターに供給する電力を制御することで回転速度をコントロールします。代表的な方式としては、電圧制御方式と周波数制御方式の2種類があります。電圧制御方式は、モーターに加える電圧を変えることで速度を調整する単純な仕組み。一方、周波数制御方式(インバーター制御とも呼ばれます)は、交流モーターに供給する電流の周波数を変化させることで回転数を精密に制御します。
特にインバーター制御は、0.1Hz単位での周波数調整が可能で、例えば50Hzの標準周波数から5Hzまで下げれば、モーターの回転数を10分の1にまで減速できるんです。しかも、トルク(回転力)をほぼ維持したまま速度だけを変えられるのが大きな特徴です。
最近のスピードコントロールモーターは、マイコン制御によって外部からの信号に応じて自動的に速度を変えたり、あらかじめプログラムした通りに複雑な速度パターンで動作させたりすることも可能になっています。省エネ性能も向上し、必要な速度で必要なだけ動かすことで、従来型と比べて20~30%の電力削減も実現しています。
小型スピードコントロールモーター
「小型スピードコントロールモーター」とは、回転速度を自在に調整できる小さなモーターのことです。工場の生産ラインから家電製品、趣味の模型まで、幅広い分野で活躍しています。一般的なモーターと違って、必要に応じて速度を変えられるので、精密な動きが求められる場面で重宝されています。
このモーターの最大の特徴は、名前の通り「スピードコントロール」機能。例えば、毎分数十回転の低速から数千回転の高速まで、用途に合わせて細かく調整できます。制御方式もさまざま。電圧制御式、PWM制御式、インバーター制御式などがあり、それぞれ特性が異なるので使う場所によって選び分けるのがポイントです。
サイズも小型・軽量なので、スペースが限られた機器への組み込みにも最適。消費電力も抑えられているため、バッテリー駆動の機器でも長時間使用できるメリットがあります。最近のモデルでは、直径20mm以下、重さ50g以下という超小型タイプも登場していて、ますます用途が広がっています。