dcファンモーターの原理
dcファンモーターの原理は、電気エネルギーを回転運動に変換する仕組みなんです。簡単に言うと、直流電流(dc)を使って磁力を発生させ、その磁力でファンを回転させているんです。
具体的には、dcファンモーターの内部には「固定子(ステーター)」と「回転子(ローター)」という2つの主要部品があります。固定子には電磁石があり、回転子には永久磁石が取り付けられています。電流が流れると固定子に磁界が発生し、この磁界と回転子の永久磁石との間に引力と斥力が生まれます。
この引力と斥力のバランスによって回転子が動き始めるわけですが、dcファンモーターの特徴的なのは「整流子(コミュテーター)」と「ブラシ」という部品の存在です。これらが電流の向きを自動的に切り替えることで、回転子が一方向に連続して回り続けるようになっています。最近のdcファンモーターでは、ブラシレスタイプも増えてきました。これは電子回路で電流の向きを制御するもので、従来のブラシ式に比べて寿命が長く(一般的に3〜5倍)、効率も良い(約85〜90%の効率)という特徴があります。
また、dcファンモーターは電圧によって回転速度を簡単に調整できるのも大きな利点です。例えば12Vのモーターに6Vをかければ、おおよそ半分の速度で回転します。この特性を利用して、コンピューターの冷却ファンなどでは温度に応じた速度制御が可能になっているんですよ。シンプルな構造ながら、私たちの身の回りの様々な電子機器の冷却に欠かせない存在となっているdcファンモーター。その基本原理を知ると、身近な技術の奥深さが見えてきますね。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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