2相ステッピングモーターの原理
2相ステッピングモーターは、製造現場で非常によく使われる位置決め用のモーターです。名前の「2相」というのは、モーターの中に2組のコイルがあることを意味しています。
このモーターの特徴は、電気信号を送るたびに決まった角度だけ回転する「ステップ動作」ができることです。具体的には、一般的な2相ステッピングモーターでは1ステップあたり1.8度(200ステップで360度の一周)という精密な動きができます。
動作原理はシンプルで、内部にある永久磁石のロータ(回転子)と、それを取り囲む2組のステータ(固定子)コイルの関係で成り立っています。コイルに電流を流すと磁界が発生し、その磁界によってロータが引き寄せられて回転するのです。
2相ステッピングモーターを動かすには、2組のコイルに順番に電流を流していきます。例えば、A相→B相→A相(逆向き)→B相(逆向き)→A相...という順序で電流を流すと、モーターは一定方向に回転します。この電流の流し方を変えることで、回転方向や速度を自在にコントロールできるんです。
マイクロステップ駆動という技術を使えば、1.8度よりさらに細かい角度制御も可能になります。例えば、1/10マイクロステップなら0.18度という超精密な動きも実現できます。
位置決め精度が高く、制御が比較的簡単なため、プリンターやロボット、工作機械など、正確な位置制御が必要な製造機器に広く採用されています。ただし、高速回転には不向きという特性もあります。
このように2相ステッピングモーターは、デジタル信号で簡単に精密制御できる便利なモーターです。
2相ステッピングモーターの制御方法
制御方法には主に「フルステップ駆動」と「マイクロステップ駆動」があります。フルステップ駆動は基本的な方法で、1ステップごとに確実に動きますが、動きがやや粗くなります。一方、マイクロステップ駆動は電流を細かく調整して、1ステップをさらに小さく分割できるため、より滑らかな動きが実現できます。例えば、1/16マイクロステップなら、1.8度のステップ角を0.1125度まで細かくできるんです!
2相ステッピングモーターは、名前の通り2つの相(コイル)を持っていて、これらに順番に電気を流すことで、モーターが少しずつ回転します。1回の電気信号で決まった角度(ステップ角)だけ回るのが特徴で、一般的なモーターは1.8度のステップ角を持ち、360度回転するには200ステップ必要になります。
最近のステッピングモーター制御は、専用のドライバICを使うことが多く、Arduino(アルドゥイーノ)などの手軽なマイコンボードと組み合わせれば、趣味の電子工作でも高精度な動きを実現できます。工場の自動化装置から、DIYの小型ロボットまで、幅広い分野で活躍する技術なんですよ。