モーター無負荷電流
モーター無負荷電流とは、モーターに何も負荷をかけていない状態で流れる電流のことです。簡単に言えば、モーターが何も仕事をしていない、ただ回転しているだけの状態で消費する電流のことを指します。
モーターを動かすと、まず最初に「始動電流」という大きな電流が流れます。これは動き出すための力が必要だからです。その後、回転が安定すると電流は減少し、何も負荷がかかっていない状態での電流、つまり「無負荷電流」になります。この値はモーターの種類によって異なりますが、定格電流(モーターが正常に動作する電流値)の20〜30%程度になることが一般的です。例えば、定格電流が10Aのモーターであれば、無負荷時には2〜3A程度の電流が流れることになります。この無負荷電流は、モーターの軸受部分の摩擦や、鉄心での磁気損失、風損などの「損失」をまかなうために必要な電流なんです。
無負荷電流の測定は、モーターの健全性を確認する上で重要なポイント。この値が正常値より大きい場合は、モーター内部に何らかの問題(軸受の摩耗や巻線の短絡など)が発生している可能性があります。逆に、この値が小さすぎる場合は、電源電圧が低かったり、巻線に断線があったりする可能性も。日常的なメンテナンスで無負荷電流を測定しておくことで、モーターの異常を早期に発見し、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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