エアモーターの仕組み
エアモーターの特徴は、圧縮空気のエネルギーを回転運動に変換する単純でパワフルな機構にあります。具体的には、圧縮空気を機械内に送り込むと、内部の羽根やピストンを押し動かし、それが回転軸を動かす仕組みになっています。
一般的なエアモーターには、ベーン式、ピストン式、歯車式などのタイプがあります。中でも工場でよく使われるベーン式は、円筒形のローターに取り付けられた複数の羽根(ベーン)が、圧縮空気の力で押されて回転する構造です。通常、4〜8枚の羽根が使われ、これらが空気室内で偏心して回ることでトルクを生み出します。
エアモーターの魅力は何といってもシンプルさと信頼性です。電気モーターと違って火花が発生しないので、可燃性ガスがある環境でも安心して使えます。また、過負荷をかけても単に止まるだけで、モーター自体が壊れにくいという特性も持っています。
性能面では、小型ながら大きなパワーを発揮するのが特徴です。例えば、手のひらサイズのエアモーターでも、0.2〜3kW程度の出力を出せるものが多く、重量あたりの出力比は電気モーターより優れていることもあります。回転速度も幅広く、無負荷時には20,000rpm以上の高速回転も可能です。
ただし、圧縮空気を作るためのコンプレッサーが必要なことや、運転時の騒音が大きいという課題もあります。それでも、単純な構造で高いパワーを発揮できるエアモーターは、製造現場の様々な用途で今も重宝されています。
エアモーターの構造
構造的には、主にベーン式、ピストン式、歯車式の3タイプに分かれます。最も一般的なのはベーン式で、回転するローターの溝にベーン(羽根)が取り付けられた単純な仕組み。圧縮空気がベーンを押し出し、ローターを回転させるんです。小型で軽量なのに、大きなトルクを発生できるのが魅力です。
ピストン式は自動車エンジンに似た構造で、複数のピストンが圧縮空気で押されて回転運動を生み出します。高いトルクと効率が特徴で、重作業に向いています。一方、歯車式は2つの歯車の間に圧縮空気を送り込み、歯車を回転させる仕組み。シンプルで頑丈な構造が特徴です。
エアモーターの性能は、出力が0.1kW〜数十kWと幅広く、回転速度も数百rpm〜数万rpmまで調整可能。しかも過負荷をかけても停止するだけで壊れにくく、圧力調整バルブで簡単に速度制御できるという使い勝手の良さも魅力です。
小型エアモーターの特徴
小型エアモーターとは、圧縮空気の力で回転運動を生み出す、コンパクトサイズの動力源のことです。電気モーターが電力で動くのに対して、エアモーターは工場などに設置されているエアコンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して動作します。小型タイプは手のひらサイズからあり、狭いスペースでも設置できる利便性が魅力です。
小型エアモーターの最大の特徴は、その安全性と耐久性にあります。火花が発生しないため、引火性のガスや粉塵がある危険な環境でも安心して使用できるんです。また、過負荷をかけても焼損せず、単に止まるだけなので、再起動もスムーズ。水や油、ホコリなどが多い過酷な環境でも問題なく動作するタフさも持ち合わせています。
出力は小さいもので数十W程度から、大きくても数kW程度までが一般的。回転速度は無負荷時で毎分数千回転(RPM)に達することもあり、トルクと速度のバランスが取れた動力源として、食品機械や医療機器、各種工具の駆動源として幅広く活用されています。
電気工事が不要で、エアラインに接続するだけで使えるシンプルさも魅力の一つ。メンテナンスも比較的容易で、定期的な給油と清掃で長期間使用できます。