極数とは?
極数とはモーター内部磁極の数で同期速度を決める要素です。今回は、極数と周波数の関係などをわかりやすく解説します。
極数とは

極数とは電気モーターや発電機などの回転機に関する重要な概念で、磁極の数を表す基本的な指標のことです。モーターの内部には「N極とS極のペアがいくつあるか」を示す数値で、この極数によって回転速度や出力特性が大きく変わってきます。
極数が少ないモーターは高速回転に向いていて、極数が多いものはトルク(回転力)が大きくなるという特徴があります。製造業では、工作機械や搬送装置など用途に合わせて最適な極数のモーターを選定することが重要です。例えば、精密部品の加工現場では「高速回転が必要な切削工程には2極や4極のモーターを、安定した力が必要なプレス工程には多極のモーターを」というように使い分けることで、生産効率と製品品質の向上に大きく貢献しています。
誘導モータの極数
誘導モータの極数とは、モータ内部に作られる磁極の数のことです。この極数がモータの回転速度や性能を決める重要な要素になっています。極数は必ず偶数(2極、4極、6極、8極など)で設計され、極数が少ないほど回転速度が速くなるという特徴があります。例えば、日本の電源周波数50Hzの場合、2極モータは約3,000回転/分、4極モータは約1,500回転/分で回ります。60Hz地域ではそれぞれ約3,600回転/分、約1,800回転/分となります。
工場の生産ラインや空調設備など、用途によって最適な極数は異なります。高速回転が必要な送風機やポンプには2極や4極が、低速でトルク(回転力)が求められるコンベアやミキサーには6極以上のモータが選ばれることが多いです。また、極数の選定は騒音や振動にも影響します。一般的に極数が多いモータほど運転音が静かで振動も少なくなる傾向があります。そのため、住宅地にある設備や静粛性が求められる環境では、極数の多いモータが好まれることもあります。
最近では、インバータ技術の発展により、同じモータでも周波数を変えることで回転速度を自由に制御できるようになりました。それでも、用途に合った極数のモータを選ぶことで、エネルギー効率や寿命を最適化できるため、極数の知識は設備設計において今でも重要なポイントなのです。
極数に関連するカテゴリ
この記事を書いた人

メカサーチ
メカサーチは、製造業むけ製品・サービス紹介サイトです。カテゴリー別に製品・サービスの概要やメーカー、製品、専門用語などを紹介しています。
meka-search.com