誘導モータの極数
誘導モータの極数とは、モータ内部に作られる磁極の数のことです。この極数がモータの回転速度や性能を決める重要な要素になっています。極数は必ず偶数(2極、4極、6極、8極など)で設計され、極数が少ないほど回転速度が速くなるという特徴があります。例えば、日本の電源周波数50Hzの場合、2極モータは約3,000回転/分、4極モータは約1,500回転/分で回ります。60Hz地域ではそれぞれ約3,600回転/分、約1,800回転/分となります。
工場の生産ラインや空調設備など、用途によって最適な極数は異なります。高速回転が必要な送風機やポンプには2極や4極が、低速でトルク(回転力)が求められるコンベアやミキサーには6極以上のモータが選ばれることが多いです。また、極数の選定は騒音や振動にも影響します。一般的に極数が多いモータほど運転音が静かで振動も少なくなる傾向があります。そのため、住宅地にある設備や静粛性が求められる環境では、極数の多いモータが好まれることもあります。
最近では、インバータ技術の発展により、同じモータでも周波数を変えることで回転速度を自由に制御できるようになりました。それでも、用途に合った極数のモータを選ぶことで、エネルギー効率や寿命を最適化できるため、極数の知識は設備設計において今でも重要なポイントなのです。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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