減速比の計算
減速比の計算方法はシンプルで、「入力軸の回転数÷出力軸の回転数」で求められます。例えば、モーターが1分間に1000回転して、出力軸が200回転するなら、減速比は「1000÷200=5」となり、「5:1」と表現します。これは入力が5回転するごとに出力が1回転することを意味しています。
ギアを使った減速機構では、「大きいギアの歯数÷小さいギアの歯数」でも計算できます。例えば、駆動側のギアが20枚の歯を持ち、従動側が60枚なら、減速比は「60÷20=3」で「3:1」になります。減速比が大きいほど出力トルク(回転力)は増加しますが、速度は遅くなります。逆に減速比が小さいと速度は速くなりますが、トルクは減少します。この特性を理解して、用途に合わせた最適な減速比を選ぶことが、機械設計では非常に重要なポイントになるんです。
モーターの減速比
「モーター減速比」とは、モーターの回転速度を下げて、トルク(回転力)を増やすための比率のことです。例えば、減速比が10:1の場合、モーターが10回転すると出力軸は1回転することになります。
モーターは基本的に高速回転するものが多いんです。例えば小型dcモーターだと毎分数千回転することも珍しくありません。でも、実際の機械では、そんな高速回転はむしろ邪魔になることが多いんですよね。ロボットアームや工作機械、家電製品など、ほとんどの機械は適度な速さと強い力が必要なんです。そこで活躍するのが「減速機」。ギアやプーリー、ベルトなどを使って、モーターの高速回転を落として、その代わりにトルクを増やします。物理の法則で、速度が下がる分だけトルクは増えるんですね。例えば減速比が100:1なら、回転速度は100分の1になりますが、トルクは理論上100倍になります(実際は摩擦などで若干損失があります)。
産業用ロボットでは20:1から100:1程度、精密機器では数百:1という高い減速比を使うこともあります。家庭用電動ドリルなら5:1から20:1くらいの減速比が一般的です。減速比の選び方は用途によって大きく変わります。高速が必要な場合は小さめの減速比、力が必要な場合は大きめの減速比を選ぶといいでしょう。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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