減速比とは?計算方法やモーターにおける減速比についても解説!
減速比とは入力回転数と出力回転数の比率です。今回は、計算式やモーターにおける減速比などについてわかりやすく解説します。
減速比とは

減速比とは、機械の回転速度を落とす割合を表す数値のことで、モーターの高速回転を使いやすい速度に変換するために使われます。例えば「10:1の減速比」なら、モーターが10回転するときに出力軸は1回転するという仕組みです。
減速比を利用すると、回転速度は下がりますが、その分だけトルク(回転力)が増加するというメリットがあります。これにより、小さなモーターでも大きな力を出せるようになります。工場の生産ラインでは、コンベアベルトやロボットアームの動きを正確にコントロールするために減速機が活用されています。
例えば、自動車の製造現場では、車体を持ち上げる装置に減速機が組み込まれており、モーターのパワーを効率よく伝えながら、安全で精密な動きを実現しています。このように、減速比は製造業の様々な機械設備の性能を最適化する重要な要素となっています。
減速比の計算
減速比の計算方法はシンプルで、「入力軸の回転数÷出力軸の回転数」で求められます。例えば、モーターが1分間に1000回転して、出力軸が200回転するなら、減速比は「1000÷200=5」となり、「5:1」と表現します。これは入力が5回転するごとに出力が1回転することを意味しています。
ギアを使った減速機構では、「大きいギアの歯数÷小さいギアの歯数」でも計算できます。例えば、駆動側のギアが20枚の歯を持ち、従動側が60枚なら、減速比は「60÷20=3」で「3:1」になります。減速比が大きいほど出力トルク(回転力)は増加しますが、速度は遅くなります。逆に減速比が小さいと速度は速くなりますが、トルクは減少します。この特性を理解して、用途に合わせた最適な減速比を選ぶことが、機械設計では非常に重要なポイントになるんです。
モーターの減速比
「モーター減速比」とは、モーターの回転速度を下げて、トルク(回転力)を増やすための比率のことです。例えば、減速比が10:1の場合、モーターが10回転すると出力軸は1回転することになります。
モーターは基本的に高速回転するものが多いんです。例えば小型dcモーターだと毎分数千回転することも珍しくありません。でも、実際の機械では、そんな高速回転はむしろ邪魔になることが多いんですよね。ロボットアームや工作機械、家電製品など、ほとんどの機械は適度な速さと強い力が必要なんです。そこで活躍するのが「減速機」。ギアやプーリー、ベルトなどを使って、モーターの高速回転を落として、その代わりにトルクを増やします。物理の法則で、速度が下がる分だけトルクは増えるんですね。例えば減速比が100:1なら、回転速度は100分の1になりますが、トルクは理論上100倍になります(実際は摩擦などで若干損失があります)。
産業用ロボットでは20:1から100:1程度、精密機器では数百:1という高い減速比を使うこともあります。家庭用電動ドリルなら5:1から20:1くらいの減速比が一般的です。減速比の選び方は用途によって大きく変わります。高速が必要な場合は小さめの減速比、力が必要な場合は大きめの減速比を選ぶといいでしょう。
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