近接センサの仕組み
仕組みは大きく分けて3種類あります。まず「静電容量式」は、センサ周辺の電界変化を検知するタイプ。人の指や金属が近づくと静電容量が変化するため、その変化を感知して物体の接近を検出します。スマホのタッチパネルもこの原理を応用しているんです。次に「光電式」は、発光部から出た光が物体に反射して戻ってくるまでの時間や強度を測定するタイプ。赤外線を使うことが多く、検出距離は数mmから数mまで幅広く対応できます。自動ドアや人感センサライトなどでよく使われています。最後に「超音波式」は、人間には聞こえない高周波の音波を発して、その反射波を検知するタイプ。音波の往復時間から距離を計算するため、透明な物体も検知できるのが特徴です。車の障害物センサなどに採用されています。
近接センサの検出精度は、高性能なものだと0.1mm以下の精度で物体を検知できるものもあり、製造ラインの位置決めなど精密な作業に欠かせない存在になっています。最近では、IoT技術の発展とともに、より小型で省電力、高精度なセンサが次々と開発されています。
近接センサの原理
近接センサは、物体が近づく際に生じる磁界・静電容量・光量・超音波往復時間・磁界強度などの変化を高感度回路で電気信号へ変換し、その値が設定しきい値を超えたか、または変化量から距離を演算して対象の有無や位置、時に速度まで非接触で検知しています。誘導形は高周波コイル発振の振幅減衰、静電容量形は電極と対象間の容量増減、光学式は赤外線やレーザ光の遮断・反射量、超音波式は反射波の往復時間差、磁気式はホール素子が捉える磁界変動と、利用現象は方式ごとに異なりますが、「物理量変化→電気信号化→しきい値判定／距離計算」というフローは共通し、高速応答と長寿命により自動化ラインやIoT機器で広く用いられています。
近接センサの種類
近接センサーは、物体との距離や接触を検知する便利なデバイスです。スマートフォンの画面オフ機能から工場の生産ラインまで、私たちの身近な生活から産業現場まで幅広く活躍しています。
静電容量式近接センサー
金属・非金属を問わず検知できる静電容量式近接センサーは、検出距離が0.5mm～30mm程度と比較的短めです。応答速度は約1msと高速で、タッチパネルやスマートフォンの接近検知に利用できます。また、食品工場のボトル検出など、水や油に強い特性を活かした用途にも適しています。小型化しやすいので、狭いスペースでも使えます。
光電式近接センサー
光の反射を利用する光電式近接センサーは、検出距離が10mm～10m以上と広範囲をカバーします。精度は±0.5%程度と高精度で、エレベーターのドア安全装置や自動車の障害物検知システムに活用できます。環境光の影響を受けることがありますが、最新モデルでは改善されているものも多いです。
超音波近接センサー
音波の反射時間で距離を測る超音波近接センサーは、検出範囲が20mm～10m程度と広く、透明体や液体も検知できます。精度は±1%程度で、駐車場の車両検知や液面レベル計測に最適です。霧や埃の多い環境でも安定して動作するため、過酷な環境でも信頼性の高い測定ができます。