加速度センサの仕組み
仕組みの基本は意外とシンプル。センサ内部には「質量」を持つ微小な構造体(おもり)があり、これが加速度を受けると動きます。このおもりの動きを電気信号に変換することで、加速度を測定しているんです。代表的な方式としては、静電容量型とピエゾ抵抗型の2種類があります。静電容量型は、おもりの動きによって電極間の距離が変化し、静電容量(電気を蓄える能力)が変わることを利用。一方、ピエゾ抵抗型は、おもりの動きで生じる歪みによって電気抵抗が変化する性質を利用しています。
加速度センサの使用例
加速度センサは、物体の動きや傾きを検知できる便利なデバイスです。スマートフォンやウェアラブル端末に搭載されていることでおなじみですが、実は私たちの生活のさまざまな場面で活躍しています。自動車業界では、エアバッグシステムの衝突検知に不可欠な存在。衝突時の急激な減速を検知して、エアバッグを展開させる判断をミリ秒単位で行います。また、車両の横滑り防止システム(ESC)にも使われており、ドライバーの安全を守る重要な役割を担っています。
産業用途では、工場の機械設備の振動監視に利用され、異常な振動パターンを検知して故障を未然に防ぎます。0.001G(重力加速度の1/1000)という微細な振動も検知できる高精度なセンサもあり、精密機器の状態監視に重宝されています。
加速度センサの種類
加速度センサーの種類は、スマートフォンの画面回転から自動車の衝突検知まで、私たちの身近な電子機器から産業用途まで幅広く活用されています。動きや振動を検知するこれらのセンサーは、測定原理によって特性が大きく異なります。
静電容量式加速度センサー
静電容量式は、±2G〜±50G程度の測定範囲で、0.1%以下という高精度な測定が可能です。シリコン製のマイクロマシン技術を用いた小型センサーで、応答性にも優れています。スマートフォンの姿勢検知や車両の衝突検知システムで活躍していますよ。温度変化に強く、長期安定性も高いため、精密機器のモニタリングにも適しています。
圧電式加速度センサー
圧電式は、±500G〜±10,000Gという広い測定範囲を持ち、周波数応答は最大100kHzまで対応できます。圧電素子が力を受けると電荷を発生させる原理を利用しているため、衝撃や振動の測定に最適です。工作機械の振動監視や構造物の耐震テストなどで信頼性の高いデータを取得できます。