圧力センサの原理
圧力センサの基本原理は、「圧力が加わると物質が変形する」という単純な物理現象を利用しています。例えば、最も一般的な「ひずみゲージ式」では、金属や半導体の薄い膜に圧力がかかると電気抵抗が変化する性質を利用。わずか0.1%程度の抵抗変化も検出できます。他にも「静電容量式」は、圧力で電極間の距離が変わり静電容量が変化する仕組み。「圧電式」は水晶などの圧電材料が圧力を受けると電圧を発生させる特性を活用しています。「光ファイバー式」は光の干渉を利用した高精度なセンサで、0.01Pa(パスカル)という微小な圧力変化も検出可能です。
圧力センサの種類
圧力センサーの種類は、身近な家電から産業機器まで幅広く使われています。気圧計や血圧計、工場の配管監視など、私たちの生活や産業を支える重要な計測器です。それでは、代表的な圧力センサーを見ていきましょう。
ひずみゲージ式圧力センサー
測定範囲は0〜1000MPaと広く、精度は±0.1%F.S.という高精度を実現できます。金属ダイアフラムの微小な変形を電気信号に変換する仕組みで、自動車のエンジン制御や産業用油圧システムで活躍しています。耐久性に優れているため、過酷な環境でも安定した測定が可能です。
静電容量式圧力センサー
測定範囲は0〜100kPaで、応答速度は5ms以下と高速です。ダイアフラムの変位による静電容量の変化を検出する方式で、医療機器の血圧モニターや空調システムの制御に使われています。小型化しやすく、低圧力の測定に適しているため、精密な圧力制御が必要な場面で重宝されます。
圧電式圧力センサー
測定範囲は10kPa〜50MPaで、応答速度は1μs以下という超高速応答が特徴です。水晶などの圧電素子に力が加わると電荷が発生する現象を利用しており、エンジンの爆発圧力測定や衝撃波の検出に使用できます。動的な圧力変化を捉えるのに最適で、高周波の圧力変動も正確に測定できます。
圧力センサーの用途
製造業では、生産工程の監視や品質管理に欠かせない存在。例えば、半導体製造では0.001Pa(パスカル)という微細な圧力変化も検知する高精度センサーが使われていますし、食品工場では適切な圧力管理で製品の安全性と品質を確保しています。