電流センサーの使い方
電流センサーとは、電気の流れ(電流)を検出して測定する装置のことです。目に見えない電流の大きさを数値や信号として把握できるため、電気回路の監視や制御に欠かせないアイテムとなっています。工場の生産設備から家電製品まで、実はさまざまな場所で使われているんです。
電流センサーの使い方は意外と簡単です。基本的には測定したい電線や回路に取り付けるだけ。クランプ式なら、電線を切断せずに挟むだけで測定できるので、とても便利です。一方、シャント抵抗型は回路に直列に接続する必要がありますが、より高精度な測定が可能になります。
測定範囲は製品によって大きく異なり、数mA(ミリアンペア)の微小電流から数百A(アンペア)の大電流まで、用途に合わせて選べます。また、AC(交流)専用、DC(直流)専用、AC/DC両用など、測定対象に合わせたタイプ選びも重要なポイントです。
実際の使用では、まず測定範囲を確認し、センサーの定格を超えないようにすることが大切。また、高電圧回路での測定は感電の危険があるので、安全対策をしっかり行いましょう。
電流センサーの原理
電流センサーの原理は大きく分けて3種類あります。まず「シャント抵抗方式」は、電流が流れる経路に小さな抵抗を挿入し、その両端の電圧降下を測ることで電流値を算出します。シンプルで安価ですが、測定回路と電源が電気的に接続されるため、高電圧回路での使用には注意が必要です。
次に「ホール効果方式」は、磁界の中に置かれた半導体に電流を流すと、電流と磁界に垂直な方向に電圧が発生する現象(ホール効果)を利用しています。電流が作る磁界を検出するため、測定対象と電気的に絶縁できる利点があります。10A〜数百Aといった広い測定範囲に対応できるのも特徴です。
そして「CT(変流器)方式」は、トランスの原理を応用し、一次側の電流を二次側に誘導して測定します。こちらも電気的絶縁性に優れ、特に交流電流の測定に適しています。
最近では、IoTの普及に伴い、より小型で高精度、低消費電力の電流センサーが求められています。例えば、0.1%未満の高精度測定が可能な製品や、わずか数mAの微小電流も検出できるセンサーなど、技術革新が進んでいるんです。製造現場での電力監視や、電気自動車のバッテリー管理など、その応用範囲はますます広がっています。
電流センサーの種類
電流センサーの種類は、身近な家電製品から産業用設備まで幅広く活用されています。電気の流れを正確に測定するこれらのセンサーは、安全管理や省エネ制御に欠かせない存在です。では、代表的な電流センサーにはどのようなものがあるのでしょうか。
ホール効果型電流センサー
磁界の変化を検出して電流を測定するホール効果型センサーは、0.1A〜1000A程度の広い測定範囲をカバーできます。精度は±1%前後と高精度で、インバータ制御やモーター駆動回路での電流監視に適しています。非接触で測定できるため、高電圧回路でも安全に使用できますよ。小型化も進んでおり、スマートフォンの充電制御にも応用されています。
シャント抵抗型電流センサー
回路に直列接続した抵抗の電圧降下から電流値を算出するシンプルな構造です。1mA〜100A程度の測定範囲で、精度は±0.5%と非常に高精度な測定ができます。バッテリー管理システムや家電製品の電流モニタリングに広く採用されていますよ。コスト効率が良く、小電流の精密測定が必要な場面で活躍します。
電流トランス型センサー
電磁誘導原理を利用した電流トランス型は、5A〜5000A以上の大電流測定に対応します。応答速度は約1ms以下と高速で、変電設備や工場の配電盤での電力監視に最適です。長期安定性に優れているため、電力会社の計測機器や産業用設備のエネルギー管理システムで使用できます。
用途に応じて、高精度なシャント型、非接触のホール効果型、大電流用の電流トランス型を使い分けることが重要です。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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