フローセンサーの役割
「フローセンサー」とは、液体やガスなどの流体がどれくらいの量で流れているかを測定する装置のことです。工場のラインや設備機器、医療機器など、さまざまな場所で使われていて、私たちの生活を支える縁の下の力持ちとも言えます。
フローセンサーの最大の役割は、流量を正確に計測して、システムが適切に動作しているかを監視すること。例えば、工場の生産ラインでは、原料の供給量を一定に保つために毎分何リットルという精密な制御が必要になります。また、化学プラントでは混合比率を正確に保つために、複数の液体の流量をリアルタイムで測定・調整しているんです。さらに、異常検知という重要な役割も担っています。配管内の流量が急に変化したら、どこかで漏れが発生しているかもしれません。フローセンサーがそれを素早く検知することで、大きな事故を未然に防ぐことができるんで。
また、最近のフローセンサーは、デジタル化が進んでIoTと連携できるものも増えてきました。例えば、測定データをクラウドに送信して遠隔監視したり、AI分析で設備の予防保全に活用したりすることも可能になっています。
精度も向上していて、高性能なものだと±0.5%以下という驚くべき精度で流量を測定できるものもあります。これは1000リットルの液体に対して、わずか5リットルの誤差しか生じないという高精度さ。こうした技術の進歩によって、製造業の品質向上や省エネにも大きく貢献しているのです。
フローセンサーの原理
フローセンサーには大きく分けて「容積式」「差圧式」「面積式」「速度式」などの種類があります。例えば、容積式は流体がセンサー内部の決まった容積の空間を通過する回数を数えて流量を測定。差圧式は流路の一部を狭くして生じる圧力差から流量を算出します。また、速度式の代表的なものには「超音波式」があり、流体中を伝わる超音波の速度変化から流量を計測するんです。
精度の面では、容積式が±0.5%程度と高精度である一方、差圧式は±1〜3%程度。ただし、用途によって最適なタイプは異なります。例えば、クリーンな液体の測定には超音波式が向いていますし、高粘度の液体には容積式が適しています。
フローセンサーの種類
フローセンサーは、液体やガスの流量を測定する重要な計測器です。家庭の水道メーターから工場のプロセス管理まで、私たちの生活や産業を支える技術として幅広く活躍しています。
超音波式フローセンサー
超音波の伝播時間差を利用して流量を測定する方式です。測定範囲は 0.01〜100 m³/h と広く、精度は±0.5〜1.0%と高精度を実現できます。
配管を切断せずに外部から取り付けられるクランプオン型は、上下水道の流量監視や化学プラントの工程管理に最適です。液体が配管内を流れる速度をリアルタイムで把握できます。
電磁式フローメーター
ファラデーの電磁誘導法則を応用した流量計で、測定範囲は 0.1〜2000 m³/h と非常に広範囲です。応答速度は約 0.5 秒と素早く、変化する流れにも対応できます。
導電性のある液体にのみ使用でき、食品工場の原料供給ラインや上水道の配水管理などで活躍します。内部に可動部がないため、長期間メンテナンスフリーで使用できるのが大きな魅力です。
熱式フローセンサー
流体による熱の奪われ方から流量を検知する方式で、測定範囲は微小流量の 0.01〜50 L/min に対応します。精度は±3%程度ですが、応答速度が約 1 秒と速いのが特徴です。
半導体製造装置の冷却水管理や医療機器の微量液体制御など、精密な流量制御が必要な場面で重宝されます。小型で取り付けやすいため、限られたスペースでも使用できます。
【監修者コメント】
メカサーチ編集部
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