超音波センサの仕組み
センサから超音波(一般的に40kHz前後の周波数)を発射します。この音波が物体にぶつかって反射し、再びセンサに戻ってくるまでの時間を計測するんです。音速はおよそ340m/秒と決まっているので、この往復時間から物体までの距離を計算できるわけです。例えば、超音波が往復するのに0.001秒(1ミリ秒)かかったとすると、距離は約17cmと計算できます。この原理は、コウモリが暗闇で障害物を避けるために使っているエコーロケーションと同じです。
超音波センサの魅力は、比較的安価で信頼性が高いこと。光センサと違って、物体の色や透明度に影響されにくく、煙やホコリがある環境でも使えます。ただし、柔らかい布のような音波を吸収する物質や、角度によっては反射波が戻ってこない場合もあるので、用途に合わせた使い分けが必要です。
そのため、最近では、IoTの普及に伴い、ホームオートメーションや水位計測、人の動きを検知するセキュリティシステムなど、超音波センサの活用範囲がどんどん広がっています。
超音波センサの用途
製造業では、液体レベルの測定や異物検知、製品の位置決めなどに広く使われています。例えば、タンク内の液体量を非接触で正確に測定できるため、化学プラントや食品工場で重宝されてます。測定精度は±1mm程度と高精度なものも多く、しかも液体の色や透明度に影響されないという強みがあります。
超音波センサの使用例
超音波センサーは、人間の耳では聞こえない高周波の音波を発して、その反射波を受信することで距離や物体の有無を検知する便利なデバイスです。工場の生産ラインから私たちの身近な生活まで、実はさまざまな場所で活躍してます。製造現場では、ベルトコンベア上の製品の位置検出や、液体タンクの水位測定などに広く使われています。例えば、飲料メーカーの充填ラインでは、ボトルが正しい位置にあるかを0.5mm単位で正確に検知できるため、安定した生産が可能になっているんです。
自動車の世界では、バックセンサーとして大活躍。駐車時に障害物との距離を測定し、ドライバーに警告音で知らせてくれます。最近の車種では、障害物までの距離に応じて警告音の間隔が変わり、約30cm以内に近づくと連続音に変わるものが一般的です。家電製品でも、ロボット掃除機が壁や家具との距離を測るのに超音波センサーを使用しています。これにより、障害物にぶつかる前に進路を変更することができます。さらに、防犯システムでは人の動きを検知したり、医療現場では超音波診断装置として体内の様子を映し出したりと、その応用範囲は実に幅広いものです。
このように超音波センサーは、目に見えない音波の力で私たちの生活や産業を支える、縁の下の力持ちとして活躍しています。